Graded Readers(語彙制限本)と児童書はどちらを読むべきか - 語数データで比較
英語多読の本は、大きく2種類に分かれます。
- Graded Readers(語彙制限本) — Oxford Bookworms Libraryのように、使う単語の種類を最初から制限して書かれた英語学習者向けの本
- ネイティブ向け児童書 — Magic Tree HouseやDiary of a Wimpy Kidのように、英語圏の子ども向けに普通に書かれた本
「どちらから始めるべきか」はよく聞かれる質問ですが、答えは目的によって変わります。ここではTADOKUbase収録636冊のデータで、 両者が実際にどう違うのかを見ていきます。
Graded Readersは「階段」、児童書は「飛び石」
いちばん大きな違いは、レベルの刻み方です。 Oxford Bookworms Libraryは見出し語数で7段階に分かれており、TADOKUbase収録の99冊は 次のように分布しています。
| ステージ | 見出し語数 | 1冊の語数 | 収録 | CEFR |
|---|---|---|---|---|
| Starter | 250語 | 1,300〜1,600語 | 12冊 | A1 |
| Stage 1 | 400語 | 5,000〜5,600語 | 17冊 | A2 |
| Stage 2 | 700語 | 6,200〜7,000語 | 18冊 | A2 |
| Stage 3 | 1,000語 | 9,300〜10,800語 | 17冊 | B1 |
| Stage 4 | 1,400語 | 15,000〜16,500語 | 14冊 | B1 |
| Stage 5 | 1,800語 | 22,500〜23,900語 | 10冊 | B2 |
| Stage 6 | 2,500語 | 30,000〜31,800語 | 11冊 | C1 |
1,500語 → 5,000語 → 6,500語 → 10,000語…と、1段上がるごとの負荷が読者側で管理できるのがGraded Readersの強みです。 しかもStage 6まで上がると『オリバー・ツイスト』『白衣の女』のような本格的な文学作品が、 語彙を整理した形で読めます。
一方、ネイティブ向け児童書にはこの階段がありません。 たとえば同じ「小学生向け」でも次のような差があります。
- Nate the Great— 1冊 約1,500〜2,400語(A1)
- Magic Tree House— 1冊 約4,700〜9,700語(A2〜B1)
- Goosebumps— 1冊 約19,000〜22,000語(B1)
- Harry Potter— 1冊 約77,000〜257,000語(B2)
飛び石をうまく選べれば効率よく進めますが、間隔を読み違えると足を踏み外します。 「児童書なら読めるだろう」とハリー・ポッターに手を出して挫折するのが典型的な失敗です。
それでも児童書には勝てない点がある
ではGraded Readersだけ読めばいいかというと、そうでもありません。 Graded Readersは語彙を制限した結果、実際の英語ではあまり使わない言い回しに置き換わることがあります。またリトールド版は原作を圧縮しているため、 物語の密度は原作に及びません。
児童書のほうは生の英語そのままです。口語表現、省略、リズム、 子どもの会話特有の言い回しがそのまま出てきます。読みにくさの原因はこれですが、 同時に読む価値の中心もここにあります。
同じ作品を両方で読むという手もある
TADOKUbaseには、同じ作品の原書とリトールド版を両方収録しているものがあります。 先にやさしい版で筋をつかんでから原書に挑むと、格段に読みやすくなります。
- Anne of Green Gables(Oxford Bookworms 2・6,800語) → 原書(約80,000語)
- Black Beauty(Oxford Bookworms 4・15,400語) → 原書(約50,000語)
- Wonder(Penguin Readers 3・10,500語) → 原書(73,053語) — 詳しくはWonderの難易度比較
どちらの道を選ぶにしても、出発点は「今の自分が辞書なしで読める本」です。レベルの選び方とレベル別の本一覧から探してみてください。
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